最終更新日:2025年9月5日 新規就農農地確保農地取得農地バンク農地法改正農業政策農業の課題就農サポート耕作放棄地農業の未来
新規就農のハードルその1:農地がなかなか手に入らない😢

新規就農のハードルその1:農地がなかなか手に入らない😢
本記事では、新規就農の最大の壁のひとつである 「農地が手に入らない問題」 について解説します。
農地の取得や賃借が難しい背景、法改正による制度の変化、そして「農地バンク」の仕組みと課題を整理しながら、最終的に当スクールがどのように農地確保をサポートしているのかをお伝えします。
新規就農の大きな壁:農地が手に入らない
新規就農を阻む最大のハードルのひとつが、農地の確保です。
借りるにせよ買うにせよ、農地はそう簡単に「はい、どうぞ」と手に入るものではありません。
特に農地は、その土地で生活してきた農家の方々にとって家族や地域の歴史と結びついた大切な資産。耕作していなくても「気軽に貸す」という発想にはなりにくいのです。
土地交渉の難しさと現場感覚
私は以前、不動産関係の仕事に携わっていました。尊敬する先輩はゴルフ場開発に伴う地上げを担当していて、地元住民との粘り強い交渉に明け暮れていました。
その経験からも、農地を借りる・買うということがどれだけ難しいかは想像がつきます。
ただ一方で、先輩のように明るく誠実に人間関係を築ける人は、驚くほどスムーズに交渉を進めてしまう。結局は「制度」だけでなく「人間関係」がカギになるのです。
法改正で変わった農地の利用制度
私がスクールの運営に関わり始めて驚いたのは、農地取得の仕組みが大きく変わっていたことです。
- 従来の「利用権設定」 多くの農地は「利用権設定」という形で賃借されてきました。
- 2023年4月の法改正 「農業経営基盤強化促進法」の改正により、この利用権設定は原則廃止されました。
じゃあ、どうするのか? そこで登場するのが 「農地バンク」 です。
農地バンクとは?その仕組みと課題

農地バンクとは、分散した小規模農地を集約し、大きな単位にまとめて貸し出す仕組みです。
- 農地の集約により効率的な農業が可能
- 利用希望者にとって借りやすくなる
- 高齢農家や耕作を続けられない人にとっても管理が楽になる
パンフレットを見る限り「なるほど、いい制度だな」と感じます。
しかし実際に地元農家さんに聞くと、まだ十分に制度が浸透しているとは言えないのが現状です。
地域に受け入れられることが最重要
法律や制度がどう変わろうと、農地を借りる上で絶対に避けて通れないのが 「地域に受け入れられること」 です。
よそ者が農地を借りるには、地域の信頼を得て「一員」と認められる必要があります。ここでスクールの役割が大きくなります。
スクールのサポート体制
当スクールを運営する㈱オーガニックnicoは、亀岡市と連携しながら卒業生の農地確保をサポートしています。
- 農地バンクを活用したマッチング
- 地域との信頼関係づくりのサポート
- 法制度の最新情報提供
こうした取り組みを通して、新規就農者がスムーズに農地を得られるよう伴走しています。
まとめ
新規就農における最大の壁「農地の確保」。
制度改正によって仕組みは変わりつつありますが、最終的には地域に受け入れられることが不可欠です。
そのために必要なのは、制度の理解と地域に根ざした関係づくり。亀岡オーガニック農業スクールは、その両面を支援しながら、次世代の農業人材を育成しています。