投稿日:2025年9月5日
最終更新日:2025年9月5日
農業従事者数農業人口減少日本の農業農業高齢化新規就農食料自給率耕作放棄地農業の未来スマート農業農業政策

我が国の農業従事者数の推移はどうなってるのでしょうか

著者画像
WRITER 石川仁士
事務局長
初めまして。京都・亀岡にある「亀岡オーガニック農業スクール」事務局の石川と申します。今年で70歳になる、まだまだ現役の“オールドボーイ”です! 2024年4月に「株式会社オーガニックnico」へ入社し、まったくの未経験からオーガニック農業の世界へ飛び込みました。
我が国の農業従事者数の推移はどうなってるのでしょうか

我が国の農業従事者数の推移はどうなってるのでしょうか

本記事では、日本における農業従事者の急激な減少と高齢化の現状を解説し、その背景と影響、国の対策、そして新規就農のハードルについて整理しています。
特に、農業人口がわずか30年で4分の1に減ったという衝撃的な事実に触れながら、これからの農業を支えるために何が必要かを考えていきます。

日本の農業従事者数の急減

1991年には800万人を超えていた農業従事者が、2021年には200万人強まで減少しました。
これはわずか30年で実に 4分の3の減少 にあたります。

しかも単に人数が減っただけではありません。従事者の大半を65歳以上が占めるという「高齢化」が同時に進んでいるのです。

農業人口が減少する理由

農業従事者の高齢化

若手の参入が進まず、世代交代ができていません。結果として担い手不足が深刻化しています。

人口減少と地方の過疎化

都市への人口集中が進み、農村部では耕作放棄地が増加しています。

経済的な不安定さ

天候や国際価格の変動に左右されやすく、収入の安定が難しいことも大きな理由です。

農業人口減少がもたらす影響

このままでは日本の食と農業に大きなリスクが生じます。

  • 食料自給率の低下
  • 農地の荒廃と耕作放棄地の拡大
  • 食の安全保障リスクの高まり

農業は単なる「産業」ではなく、国の基盤を支える存在であるだけに、この状況は看過できません。

国の取り組みと対策

政府も危機感を持ち、以下のような対策を進めています。

  • スマート農業の推進:ICTやロボット技術を活用した省力化・効率化
  • 新規就農者への支援:移住者や若者が農業に参入しやすい制度づくり
  • 農業法人化・企業参入の促進:農業をビジネスとして成り立たせる仕組み作り

新規就農の現実的なハードル

私自身、事務局長として農業スクールの運営に関わり始めてまだ1年ほどですが、その中で見えてきた「新規就農の3つの大きな壁」があります。

農地の確保が難しい

就農したいと思っても、農地を借りたり購入するのは簡単ではありません。

初期投資の大きさ

農機具や設備、資材の導入には数百万円規模の費用が必要です。

販路の開拓が難しい

作物をどう売るのか?安定した販売先を確保するのは新規参入者にとって大きな課題です。

まとめと次回予告

農業従事者の減少は「見過ごされがちだが非常に深刻な問題」です。
人数の減少と高齢化、さらに新規就農の困難さが重なり、日本の農業は岐路に立たされています。

次回は、亀岡オーガニック農業スクールがどのように新規就農者を支援しているのか、具体的なサポート内容をご紹介します。